境界線を引くのは冷たいことか?

今日は人との間に「境界線を引くこと」について書いてみます。

ドラマや映画をみるとしんどくなりますか?

インスタグラムで、「映画やドラマを見たらしんどくなりますか?」という投稿をしました。

私は映画やドラマを見るとしんどくなるので、テレビで見るのはバラエティーやニュース番組のみ。こういうことは私だけかと思っていたら、他にもそんな人がいた!
ですので、この件についてちょっと考えてみました。

子供の頃は結構、いや、テレビっ子でしたからかなり見てました。
それなのに、いつの頃からかドラマは見ることができなくなってしまった。
なぜなんだろう?と。

なぜドラマや映画を観るとしんどくなるのか

よくよく考えてみたところ、どうも登場人物の一人(主に主人公)に自分を同化させているらしい、ということに気づきました。

主人公に同化している=なり切っているから、ストーリー中のその人の体験や感情をそのまま取り込んでしまうので疲れるんじゃないかと。

だって映画もドラマもいいことばっかりじゃないですよね。
むしろ、悲しいこと辛いことがあって、主人公がそれを乗り越えていってストーリーが盛り上がるわけじゃないですか。波乱万丈あってのハッピーエンドだから、見てる人が楽しいわけですよね。
でも、当の主人公はなかなか大変なわけで。

ということで、私はものすごくしんどかったんですよね。 

二つ目の疑問

ただこれね、同じように主人公になり切っていたとしても、しんどくない人もいますよね。
その差はどこにあるのでしょう?

これが二つ目の疑問。

その答えのヒントがありました。
私最近、ドラマを見たり、映画を観たりできるようになってきました。
しんどくならずに、ちょっと楽しめるようになってきたんです。

その理由をどうしてかなって考えてみますと、思い当たる理由がありました。

① Points of you@の学びを深めることで、自己受容が進み自分を認めることができるようになったこと。
② インナーチャイルドセラピーを学んで、セラピーの理論を知ったこと
③ インナーチャイルドセラピーを受け施すことを繰り返したこと。

この3つの要因によって、自分と他人との間に境界線を作れるようになったからだと思います。

適度な境界線ができたから、映画を見てもドラマを見ても、そのまま主人公になり切ることなく、別の世界のこととして楽しめるようになってきたのだと。

境界線を引くことは子供の頃に学ぶこと

これは、現実の世界でもおなじことではないでしょうか?

自分と他人との間に境界線を引き、一定の距離感を取れないと人間関係はとてもしんどいことになります。現実世界がとても生きづらいものになります。

この境界線を引くということは、 子供の頃に学んでいるべきことでした。

子供は生まれてから9ヶ月までは、母親と自分の分離ができません。
子供と母親は一体です。
子供は母親の感情を感じ、想いを想います。
「私はあなた」「あなたは私」なのです。

そのあと少しずつ、9ヵ月から3才くらいまでの間に自分と他人との違いを認識して行きます。
この期間に「私は私」「あなたはあなた」になるのです。

本来ならば、これは親から教えられることでした。
でもそれが上手くいかなかった時には、自分と他の人との区別の仕方が分からないために、こんなことになります。

① 他の人に感情・想いに巻き込まれる
② 他の人に心理的にべったりくっついて、離れられない状態になる
③ 他の人から孤立してしまう

この「他の人との間に境界線を引く」という考え方は、アドラー心理学で言う「課題の分離」にも通じます。

☆「課題の分離」とは、「私の責任」と「あなたの責任」をはっきり区別して、相手の責任範囲のことは私にはどうすることもできないという考え方です。☆

境界線をひかないということは、他の人の人生を受け入れてしまうことになります。
それはとてもしんどいことです。
自分の感情とは違うから、辛いのです。
これは共感とは別のものです。

境界線を引くと、一見他の人と距離をとった冷たい態度のように感じられますが、そうではありません。
他の人と程よい距離を保ち、お互いのテリトリーを弁えながら守りながら、お互いを尊重しあうことです。
そうして初めて、共感ができるのです。

インナーチャイルドセラピーもこれ

脳科学には、「メタ認知」という言葉があります。

「自分自身の現状を他人の立場から、客観的かつ冷静に理解することを『メタ認知』と言います」
茂木健一郎著 「ポジティブ脳の使い方」より  

今の状況の自分を、もう1人の自分が少し離れたところから見つめている。
そんな感じです。

そしてインナーチャイルドセラピーでも、
辛くて固まっている過去の自分(=インナーチャイルド)を、大人になった自分が客観的に見つめる。そこから癒しが始まります。

自分の中でも、境界線を引くことは意味があるのです。

本当に生きやすくなるために

「私は私」「あなたはあなた」。
「私の領地はここまで」「あなたの領地はここまで」。
そうやってお互いの責任の範囲を自覚し、接すること。
そのお互い同士が、客観的に冷静に見つめ合えるようになること

これができれば、生きづらさが軽くなります。
本当に生きやすくなるのです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です