インナーチャイルドとは?抱えやすい悩みと癒やし方について解説
「インナーチャイルド」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?
心理学やスピリチュアルなどの分野で取り上げられており、その定義は様々。
ネット上では、インナーチャイルドセラピーにも種々の方法が紹介されています。
そこで今回は、私の見る「インナーチャイルド」を書いてみたいと思います。
目次
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは「内なる子ども」と訳されます。
受胎時から子供時代の感情・思考・信念のエネルギーのすべてであり、身体感覚による記憶を伴います。
元々の「インナーチャイルド」は、無限の可能性に満ちた、パワフルでありながら優しさ・喜び・受容にあふれた存在なのです。
セラピーで取り組むのは、そのうちの「傷ついて抑圧された感情を抱えたまま、過去に取り残されたインナーチャイルド」です。
この「傷ついて取り残されたインナーチャイルド」を抱えたまま大人になった人を「アダルトチルドレン」と言うことがあります。
では、どうしてインナーチャイルドは「傷ついて抑圧された感情を抱えたまま、過去に取り残されて」しまうのでしょうか?
子どもは本来、その年齢に応じて『与えられるべき保護・養育』というものがあります。
ところが、様々な事情によりその『与えられるべき保護・養育』を受けられないと、子どもは傷つき、自らの感情や意志を押し殺して、生きていくために環境に順応していきます。
そしてそれが癒されることなく成長すると、子どもは「傷ついて抑圧された感情を抱えたまま、過去に取り残されて」しまうのです。
これを私達は、「傷ついた子ども」と呼んでいます。
ここでは、セラピーの対象として「傷ついた子ども」を「インナーチャイルド」と呼ぶことにします。
「インナーチャイルド」が癒されることなくそのまま大人になると、
たとえば、「人の目が異常に気になって仕事に集中できなかった」り、「同僚と比べてしまっては焦りや嫉妬に振り回されやすく」なったりといった不都合が起こり、
その結果、仕事の成果が上がりにくくなる、人とコミュニケーションが取りづらくなるなど、「生きづらさ」を抱えてしまう傾向が見られます。
インナーチャイルドの症状
インナーチャイルドを抱えていることで起こる代表的な症状を紹介します。
恋人・友人との関係がいつも同じパターンで壊れる
いくつかのタイプのうち、2つを説明します。
① 同じタイプの異性とばかり付き合って結局別れてしまう
同じタイプと言っても、これはネガティブな意味でのタイプを指します。
たとえば『わがままで機嫌が悪いとあなたに暴力を振るう』『高圧的でいつもあなたにダメ出しをしてくる』『自分では働かずあなたの収入を散財する』『浮気を繰り返す』などなど。
前の彼氏彼女で「もうこりごり、二度とこんな相手と付き合うもんか!」と思っているはずなのに、気が付けばなぜかまた同じタイプの異性と付き合っていて、同じパターンを繰り返す。。。。
② 恋人や友人との付き合いが深くなってくると、自分から関係を壊してしまう
初対面の緊張からステップを踏んで仲良くなり、あと少しでもっと深い関係になれそうな時、たとえば肉体関係を結ぶであったり、結婚の約束であったり。
そんな時に自分から関係を悪くすることをしてしまい、あなたが望んでいるはずのゴールにあと一歩たどり着けない。。。
これはあなたの中のインナーチャイルドのために、あなたは無意識にそういう相手を選んでしまうし、ゴールにたどり着かないように動いてしまうのです。
目標達成まであと一歩というところで失敗する
こちらもいろいろな場合がありますが、そのうちの2つを例にしてみます。
① 優勝できない
部活でずっと優勝を目指して練習して、決勝戦までは勝ち進める。実力もあるはず。
なのに、肝心の決勝戦ではいつも不甲斐ない試合をして負けてしまい、優勝を逃してしまう。
勝ちたい気持ちはあるのに、なぜ?
② チャンスでいつも失敗する(大舞台に弱い)
基本的に真面目でコツコツやっている。普段から小さなミスはあるけど、大ポカはやらない。
そんな中、昇進がかかった大きな仕事を任された。自分の実力を示すチャンス!
なのに、そんな時に限って大きなミスをして上司に呆れられてしまう。。。
チャンスを意識したら必ず失敗するのはなぜ?
これも、あなたの中のインナーチャイルドが反応して、あなたが求めているはずの未来に行かない方向へ、無意識に向かってしまうのです。
ものすごく人の目が気になる
人の目や周囲の評価が気になって仕方がない。いつも気が張って周囲を警戒し、落ち着けない。
周囲の評価が気になるから、いつも人と比べて勝っていないと不安になる。
嫌われるのが恐いから何か頼まれると「ノー」と言えない。。。
そんなあなたは、いつも判断の基準が他人で、自分に軸を置くことができません。
これも、あなたの中のインナーチャイルドが反応しているのです。
インナーチャイルドを「癒やす」メリット
人間関係が驚くほどよくなる
人間関係がうまくいかない原因に、あなたのインナーチャイルドの反応があります。これはインナーチャイルドがその環境で生き抜く為に身に着けた方法であり、無意識の世界で起こります。
けれど、この方法は大人になったあなたに合った方法ではありません。
インナーチャイルドが癒されると、この無意識の反応とは異なる大人のあなたとしての理性的な対応ができるようになります。
その結果、あなたは経験を積んだ大人として人間関係を作ることができるようになるのです。
目指す未来に向かうことができる
あと一歩でうまくいくのに、その一歩でつまづいてしまう。。。
これもインナーチャイルドが生き抜く為に身に着けた対処法です。無意識の世界では、「私はうまくいってはいけない」と思っていて、そのためうまくいきそうになると無意識にそれにstopをかけてしまうのです。
けれど、インナーチャイルドが癒されれば、無意識のstopはなくなります。
大人のあなたが目指したい未来へと向かうことができるようになります。
人の目を気にせずに、自分らしく生きられる
インナーチャイルドは、周囲の大人(養育者)に気に入られなければ生きてはいけませんでした。
だから、人の目を気にして自分を殺すことは、必然のことだったのです。
人の目を気にして人の評価を気にして生きることは、とても生き辛いですよね。
でも、大人のあなたにそれは必要ありません。
インナーチャイルドが癒されればその生き辛さを捨てて、誰の目も気にせず評価も気にせず、自分を押し殺すことなく生きていけるようになるのです。
インナーチャイルドを癒やすことのデメリット
では、インナーチャイルドを癒すことにデメリットはないのか?
インナーチャイルドを癒すことそれ自体には、デメリットは一切ありません。
ただ、セラピーの過程を踏む段階の一つとして、例は少ないですが強烈な反応が出るケースがあります。
インナーチャイルドセラピーでは「過去の辛い記憶とその時の感情にコンタクトする必要があり、それがあまりにも辛い体験であった場合には、ネガティブな感情が爆発してしまうことがある」のです。
実際に、『幼少期に親から理不尽に殴られた経験のある方が、幼少期から抑え込んできた「怒りの感情」に、インナーチャイルドセラピーでアクセスした際にその感情が解放され、部屋の中をめちゃくちゃにしてしまった』という事例があります。
このように、中には大きな感情の揺れを起こすケースもありますので、インナーチャイルドセラピーはセルフワークでも可能ですが、伴走してくれるセラピストとともに行うのがオススメです。
まとめ
混沌とした昨今、傷ついたインナーチャイルドを抱えて悩んでいる方は多いと感じます。
それは仕事や日常生活に知らず知らず影響を及ぼし、時には生活上の問題として表に現れてきます。その問題は自覚されていないこともあります。
何らかの形で原因を解消しない限り、自分の意思に反するようにして一生影響を及ぼし続けます。
ですので、一度は過去の感情と向き合って、解消することが大切です。
あなたは仕事で、日常生活で、気になることはありませんか?
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